目の中に光が見える症状について
暗い場所で突然目を動かすと、あるはずがない光が見える場合があり、これが光視症です。網膜が引っ張られることで視細胞に負荷がかかり、光を感じる時と同様の反応が起こることで発症します。大きな問題にならないケースが多いですが、発症間もない網膜裂孔や網膜剥離の症状として現れる場合もあります。
視野が欠けていたり、存在しないゴミや虫に似たものが浮いているように見える飛蚊症が起こっている場合は、網膜剥離や網膜裂孔を発症している恐れがありますので、速やかに当院までご相談ください。
目の中に光が見える原因
加齢が原因となる場合と、重度の視力低下が起こる疾患が原因となる場合に大別されます。重度の視力低下が起こる疾患としては、網膜剥離、網膜裂孔、ぶどう膜炎、眼底出血などが挙げられます。これらの疾患は早期治療によって視野欠損や視力低下を防ぐことが期待できます。
あるはずがない光が見える光視症では、眼科医に相談して眼底検査などを受けることで、重大な疾患の有無をチェックすることをお勧めします。瞳孔を広げる散瞳剤を使用して、眼底の状態をくまなく確認する眼底検査が重要です。
検査は約5分で終わりますが、散瞳剤を使ってから瞳孔が広がるまでに約20〜40分必要です。また、検査が終わって瞳孔が元の大きさに戻るまでに、約5〜8時間必要となり、戻るまではまぶしさに敏感になってピントも合わせづらくなります。検査後の歩行に特に影響はありませんが、当日のバイクや車の運転はリスクを伴うためお控えください。
飛蚊症
小さなゴミ、虫、アメーバのようなものが浮いているように見える疾患を、飛蚊症と呼びます。特に、青空や白い紙を見る際に症状を自覚しやすい傾向にあります。
飛蚊症のほとんどは生理的な要因で生じるものですので、大きな心配はありません。しかし、失明する危険性が高い眼科疾患の初期症状として飛蚊症が起こることもあります。
飛蚊症は老若男女問わず発症し、急激に発症した場合や症状が深刻な場合は、何かしらの疾患の疑いもあるため、速やかに当院までご相談ください。
網膜裂孔・網膜剥離
網膜に亀裂や穴が開く疾患が網膜裂孔です。裂孔ができたからと言って視力に異常は起こりませんが、放っておくと網膜剥離に繋がるリスクがあります。網膜剥離は外科手術での治療が必要になってしまうため、網膜裂孔の段階で早期発見・早期治療ができるようにしましょう。
網膜が眼球内壁から剥離し、視力低下や視野欠損などの症状が起こり、失明する危険性もある疾患が網膜剥離です。網膜が眼底から剥離することで、眼底の毛細血管から送られる栄養素や酸素が不足するため、次第に細胞が壊死します。壊死した細胞が復活することはないため、悪化すると治療しづらい状態となります。進行を防止するために、早期発見と早期治療が大切です。